コロナウイルスとマジック・ザ・ギャザリング~今、マジックはどうなっているのか?~

お久しぶりです。

すっかりこのブログの存在を忘れていて更新していませんでしたが、最近ふと思ったことがあり、一つ記事を描くことにしました。

 

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今回の記事の主題は、タイトルにある通り『マジックの今』です。

 

あまりに変化が激しい世界情勢ですが、マジックの世界は現実よりも更に変化が激しいように感じます。

 

正直言って、わたしもマジックの今を把握しきれていないこともあって、少し調べてみようと思い、この記事を書き始めました。

 

マジック・ザ・ギャザリングはもともと、他の国内産TCGとは違って、『プロ制度が明確に定められていて、定期的に大きな大会があり、プロプレイヤーを目指しやすい』という性質があったと思います。同時に、そんな競技シーンで活躍するプロプレイヤーを見て、応援するという楽しみ方が、マジックのとても大切な一面だったと思います。

 

ですが、そのプロ制度は複雑で、分かりづらいものでした。

 

プロポイントの有効期限や、大会への参加資格など、本来ならばもっと明瞭に、わかりやすくなってくれればよかったのですが、制度がコロコロと細かく変わるせいで、それらを確認するのは中々困難でした。(このあたりは、公式サイトのUIの悪さも強く影響していたと思います)

 

 

それでも、少し前までは『PT(プロツアー)』『GP(グランプリ)』『世界選手権』という大きな大会についてさえ知っていれば、それなりにマジックの競技シーンの全体像を把握することが可能でした。

 

が、最近はプロツアーがミシックチャンピオンシップに変わり、さらにプレイヤーズツアーに変化。グランプリはマジックフェスト(マジックのお祭り)というカジュアルなイベントの一部に降格し、実質的に参加する価値が薄れました。

 

その上、プロレベル制度の廃止とMPL(マジック・プロリーグ)、マジック・ライバルズ・リーグ制度の創設など、著しい変化が立て続けに起きています。

 

……ただし、最も大きな変化がこの後に訪れるとは、きっと誰も予想していなかったでしょう。

 

コロナショックとマジック

 

そこへコロナウイルスの影響が重なりました。

 

人と人との接触が危険視されるようになり、紙の大会は軒並み中止となります。

 

初のプレイヤーズツアーファイナルとなるはずだった、PTFヒューストンは中止となり、それどころか、多くのカードショップが店を一時的に休業、あるいはネット通販のみの取り扱いとしてしまいました。(某大手チェーンは、我関せずで相変わらず店を開き続けていたようですが)

 

mtg-jp.com

今後のマジックの公式大会については、上記の記事がもっとも詳しく記載されていますが、

プレイヤーズツアーファイナル・ミネアポリス2020(7月10~12日)やミシックインビテーショナル『基本セット2021』(7月23~26日)への旅行準備をお控えください。それらのイベントは今後中止せざるを得ない可能性も高いため、旅費の返金ポリシーをそれらのイベントまで適用する予定はありません。

 

とのことです。つまり、今年の前半は概ね大きな大会の開催は期待できません。

しかし同時に

私たちは政府および保健機関による推奨事項に従いながら、引き続きプレイヤーズツアーやミシックインビテーショナルのオンライン開催を検討してまいります

 

との記述もあったので、もしかするとこれらの大会はオンライン開催となる可能性もあるでしょう。もちろん、現時点でこの先の展望は一切わかりませんが。

 

そしてコロナ騒動の間に、せっかく発足したばかりのマジックライバルズリーグですが、本来は8月までの予定だった移行期間は大会開催不能という判断により、終了してしまいました。

 

ただ、悪いニュースばかりではありません。PT(プレイヤーズツアー)名古屋で活躍した日本人選手たち、原根 健太選手、石村 信太朗選手、高橋 優太選手が、めでたくライバルズリーグ入りを果たしました。

 

この先の競技シーンがどうなるのかはまだわかりませんが、彼らの活躍を願います。

 

 

現在の競技シーンの主戦場 MFOについて

様々な紙の大会が中止となる中、戦場は必然的にオンラインの世界に移行しています。

そして目玉となっているのは『MFO(マジックフェストオンライン)』でした。

 

mtg.taiken.online

 

MFO(マジックフェストオンライン)についは、上の記事がかなりわかりやすくまとまっています。

 

MFOはCFB(チャネルファイアボール)主催のオンライン大会ですが、大会というよりはむしろ、全く新しいマジックの競技シーンと言った方が良いかもしれません。

 

毎日開かれるデイリー予選

週末に開かれるウィークリー大会

シーズン最後に開催されるシーズンファイナル

 

これが現在のマジックの競技シーンの主戦場です。

ただ、現在はシーズン2が終了していて、シーズン3については特に言及されていない(はず)です。

 

(ちなみに2020/5/11にシーズン2の優勝はティムールクローバーでした。デッキは以下のサイトに記載されています)

mtg.taiken.online

 

次の競技シーン

MFOのシーズン2は終了しましたが、競技シーンが消えるわけではありません。

直近のオンライン大会としては5/16~17にかけて行われるミシック予選が開催されます。

mtg.taiken.online

 

 

そして、レッドブル主催の大会、Red Bull Untappedが開催されます。

5月、6月に予選が開催されるので、まずはそれを楽しみにしましょう。

(こちらも、5/16に最初の予選大会が開催されるようです)

mtg.taiken.online

 

もしも競技シーンに興味があるのであれば、本記事のリンク先を確認して、参加したり、観戦してみるのも良いかもしれません。

 

 

基本セット2020 ランクドラフト 7勝記録 ~青黒コントロール編~

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ドラフト環境で多いのはミッドレンジ(中速)デッキです。

アグロ、コントロールを組むこともありますが、アグロデッキは軽くて強力なコモンを大量に集めるというハードルがあり、コントロールデッキを組むには、強力なフィニッシャー(コンボやボムレア)などが必要になるという点からです。

 

しかし、今回のデッキはコントロールデッキにも関わらず、レア以上のカードが一枚も入っていません。

では、どのようにして7勝したのか? 当然、もう一つの条件である強力なコンボが積載されているのです。

(ちなみに、アンコモンは以下の4枚でした)

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コンボ1 療養所の骸骨は、多くのシナジーを持つ

【療養所の骸骨】というカードは、一見ひどく地味ですが、黒の中ではトップ5に入る強力コモンカードだと思っています。

単体で使うとしても、無限チャンプブロッカーとなり、1マナ域として強力です。

 

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しかし、このカードはコンボによって一層強く使うことができます。

 

使い方1ルーティング(手札入れ替え)と組み合わせることで、アドバンテージを稼ぐ

手札に回収した療養所の骸骨は、場に出しても所詮1/2のクリーチャー。

しかし、ルーティングで捨てればすぐに墓地回収能力が使用できるので、ハンドが増えていきます。

特に【ハードカバー】は毎ターン起動できるので、アドバンテージ差が一瞬にして大きく開きます。

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使い方2 生贄として使用する

今回の環境には、実は生贄シナジーを形成するカードが多く、しかもそのほとんどが黒いカードです。今回のデッキには入っていませんが【血に染まった祭壇】との組み合わせは、大抵のボムレアよりも強力で、一瞬でゲームを終わらせます。

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コンボ2 【星霧の学者】と【魂回収】の無限コンボ

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この環境で青黒コントロールに舵を切る理由の最大の一つといっても良いのが、この2枚コンボです。

【魂回収】で【星霧の学者】と他のカードを回収。

【星霧の学者】で【魂回収】と他のインスタント、ソーサリーカードを回収する。

 

たった2枚のカードで無限の循環が生まれます。

 

(それにプラスして、他に回収したいカードがあれば無限アドバンテージとなりますが、星霧の学者を出せるようなターンでは大抵墓地が肥えているので、条件を満たすのは簡単でしょう)

 

 

そしてこのコンボの一番強力な点は、どちらかのカードが墓地にあれば良いということです。

 

カード一枚一枚の強さが低いリミテッド環境においては、ドローよりも墓地回収の方が強力なカードを利用できる可能性が高く、最悪コンボが揃っていなくても、それぞれが単体で強力な働きをします。

 

そして、コンボカートの片方を後から引けば、そこからコンボ開始です。

 

(ただ、この循環を意図的に起こすには【星霧の学者】を墓地に送らなくてはならないので、【骨の粉砕】などをデッキに入れておくとより強力になります)

 

以上、簡単にですが、青黒コントロールについての解説でした。

基本セット2020ランクドラフト7勝記録 白黒ライフゲイン

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今回はデッキ画像保存を忘れてしまいましたが、7-1したのは白黒デッキでした。

 

今回はレアなし、アンコモンは以下の3枚です。

 

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上記を見て分かる通り、比較的にレアリティが低いデッキで、しかも『殺害』なしで7勝できたことを考えるに、かなり自力のあるデッキだと感じました。

 

学び1 今現在の環境は、白黒がベスト?

以前の記事で、基本セット2020環境においては青と緑が明確に強く、シナジーを作るなら白緑、あるいは青白を選択すべき。ということを書きました。

 

実際、現時点でもその意見はさほど間違っていないと思いますが、現時点のアリーナのドラフトピックAIは青緑を極端に高く評価してしまっているらしく、青緑のカードがまったくといって良いほど流れて来ませんでした

 

となると、必然的に残る3色でデッキを組むことになりますが、個人的な見解として、赤は環境最弱色、かつ、白黒のライフゲインデッキと相性が悪いため、白黒が選択としてベターだと思います。

 

学び2 ライフゲインシナジーを構築する際は、先にライフを得た時に仕事をするカードを取る

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上記は、コモンのライフゲインカードです。

これを見て分かる通り、今回の環境はともかくライフゲインをするプレイアブルなコモンカードが多く、普通にピックしているだけでもかなりの枚数が集まります。

しかし、ライフゲインをすることによって効果を発揮するカードは、コモンでは『血の美食家』の一枚。

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アンコモンを見ても、以下の二枚だけ。

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そのため、ライフゲインシナジーのデッキを構築したいのなら、最優先で下の3枚を集めるようにしましょう。ライフを獲得するカードはかなり遅い順目でもピック可能ですし、何より下の三枚はシナジーなしでも十分に使用に耐えうるスペックを持っています。

 

学び3 黒をやる時は、盗んで盗んで、盗みまくれ!

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この【大胆な盗人】というカード、殺害を超えた黒のベストコモンと言っても過言ではありません。(というか、大抵のアンコモンより強力です)

マスト除去カードですし、先手3ターン目に置くことが出来れば勝利に直結します。

そして、以下のカードはこのカードと大変相性が良いので、存在を覚えておくと良いでしょう。

 

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基本セット2020 マッチドラフト5勝記録 ~スゥルタイドローデッキ~

今回は、マッチドラフト5勝出来たデッキについての解説と、強力だと感じたカードやシナジーを備忘録的にまとめていきます。

 

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デッキの内容は以下の通り、青緑に黒をタッチしたスゥルタイカラーのデッキでした。

 

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レア・神話レアカードは『エルフの開墾者』1枚

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(メインボードの)アンコモンは以下の7枚になります

 

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学び1 西風の突撃は1枚までなら入れるべき

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これはアドバンテージを稼ぐわけでもない、2マナのエンチャントです。AIの評価も低いのか、気づいたら3枚もピックしていました。

 

しかし、マナのある限り飛行付与できるのは、想像以上に強力で、このカードをトップデッキした瞬間に自陣の全てのクリーチャーが飛行を持って、ゲームが終わったことも複数あります。

 

基本セット2020環境にはプレイアブルな飛行クリーチャーがともかく多いので、守りに入ったときも、活躍できる素晴らしいカードでした。

 

ただし、複数枚引いたたときは完全に無駄牌になるので、1枚だけにしておくのが無難でしょう。

 

学び2 腐れ蔦の再生があれば、ライブラリーアウト以外ではほぼ負けない

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『腐れ蔦の再生』は、とても重いエンチャントカードで、出した瞬間は何もしません。

実は3回ほどピックする機会があったのですが、自分の中でカード評価が定まっていなかったので、1枚だけのピックとなりました。

 

しかし、クリーチャーが死亡するたびにドローという効果は、凶悪そのものでした。

このカードがある限り、手札が尽きることはほぼなくなり、相手とのアドバンテージは広がる一方となります。

 

※ただし、このカードの効果は強制なので、ライブラリーアウトには注意が必要です 

 

学び3『成長の季節』もやっぱり強い!

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3枚連続でエンチャントカードの紹介となりますが、このカードも一見しただけだと、強さが分かりづらい一枚です。出た瞬間には何もせず、下の効果は狙ってデッキを組まなければ何の意味もありません。

 

……が、クリーチャーが出るたびに占術1というのも、後半の土地カードがほとんど完全な無駄牌になるリミテッドにおいては、実質的にキャントリップのように働くことも多いです。

試合の序盤に設置できれば、上の効果だけで十分に仕事をしてくれる上に、『残忍な発動』、『成長周期』といった比較的強力な、相性の良いカードも環境に多いです。

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上記のカードは『成長の季節』なしでも十分に強力ですが、組み合わさると凶悪そのもので、コンボとして狙う価値が大いにあります。

 

最後に、基本セット2020環境の雑感

マッチドラフトをやってみて、基本セット2020は、『レアが普段ほど圧倒的に強いわけではない』『緑と青のクリーチャーが強い』という印象でした。

ただし、青緑だと除去が薄いデッキになりがちなので、青と緑のどちらかと白、赤、黒のどれかしらを混ぜた2色(あるいは青緑プラス1色の3色)グッドスタッフ的な形が最も一般的だと感じました。

 

中でもシナジーが期待できて強力だと感じたのは、青白のフライングデッキ、緑白の全体強化デッキです。

 

青白は基本的にどの環境にも存在するアーキタイプで、タフネス偏重生物で地上を止めて、飛行クリーチャーで殴り勝つデッキです。

ですが、今回の環境においては飛行という能力が普段より重要な意味を持っています。

『翼ある言葉』は、飛行クリーチャーが入れば2マナ2ドローという構築クラスのカードへ。

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アンコモンの『天穹の鷲』は、単体でも十分強いロードですし、今回の青いクリーチャーは普段にも増して飛行が多いので、一瞬でゲームを決めるレベルのカードになります。

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そして、緑白は横並びで戦うデッキです。

ちなみに今回、5-1の記録の中で唯一負けたのは緑白デッキでした。

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コモンで横並びシナジーがあるのは上記の二枚。

 

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アンコモンまで枠を広げると、さらにこの2枚が加わります。

単純なデッキですが、緑も白もタフネスが高い生物が多くて全体除去も効きづらく、飛行クリーチャーも多いため、対処するのが難しいデッキでした。

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 以上、基本セット2020マッチドラフト、5勝記録でした!

 

 

基本セット2020予測 ~第2のハイドロイド混生体は一体どのカードなのか?~

 つい先日、基本セット2020のフルスポイラーが公開されました。

 

 まず注目を集めたのは、アンコモン、レア、神話レアに収録されたチャンドラと、彼女に関連するカード群でしょう。

 

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特に注目を浴びているのは、神話レアの『目覚めた猛火、チャンドラ』でしょう。このカードはなんと、史上初めての打ち消されないプレインズウォーカーであり、+能力で紋章を置くことのできるカードです。

 

カード能力的には、ビートダウンデッキではなくて、コントロールデッキ向きに見えますが、赤いコントロールデッキで6マナとなれば『パルン、ニヴ=ミゼット』という強力なエンドカードがすでに存在しています。

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そのため、このカードが使われる可能性は、個人的にさほど高くない。と、思っています。

 

……しかし、【このカードは絶対に使われないか?】

そう聞かれると、『わからない』と答える他にありません。

なぜなら、MTGの世界において、カードの強弱を見極めることは不可能に近いほど難しいからです。

 

ラヴニカのギルドにおいては『孤高のフェニックス』『パルン、ニヴ=ミゼット』

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ラヴニカの献身における『ハイドロイド混成体』

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灯争対戦における『世界を揺るがすもの、ニッサ

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等々、事前評価は決して高くなかったはずのカードが環境を支配するほどの力を見せつけることが多々あります。

 

 

再録カードである『見栄え損ない』や『脅迫』等の定番ながら強力な再録カードや、

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サイドカードとして有用な『丸焼き』や『霊気の疾風』といった、対抗色へのキラーカードシリーズは、まず間違いなくデッキに入るでしょう。

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しかし、これらはあくまで既存のデッキをバージョンアップさせるに過ぎず、

環境に新しい風を吹かせるとは言えません。

 

 

前置きが長くなってしまいましたが、ともかく今回のテーマはタイトルどおり、『基本セット2020』における、さほど注目されていないが、デッキの核となり、環境を定義するほど使用される可能性があるカードを探していきたいと思います。

 

一体、どんなカードが強いのか?

まず、環境を定義できるほど強力なカードとは何なのかというと、私の考えては以下の3つの条件のうち全て、あるいは2つに当てはまるものだと思っています。

 

1即座に勝利できる(攻めっ気が強い)

 

2多角的で、どのデッキに対しても強力

 

3粘り強い(アドバンテージを稼いだり、除去しても戻ったりする)

 

反対に、弱いと勘違いされがちな理由

1、コストが重い(ように見える)カード

 これは、強力なカードが見過ごされる理由として一番多い気がします。

 少し前の環境でいうと『スカラベの神』がそれに該当するでしょう。

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このカードは、4マナで墓地からクリーチャーを釣ることができる上に、除去されても手札に戻るという除去耐性持ちです。

 

どう考えても弱いことは書かれていないのですが、発売前には『リアニメイトが4マナというのは重すぎる』と思われていたのです。

 

『パルン・ニヴミゼット』も同様で、書いてあることは強いが、マナ拘束が強すぎて、使われないだろうというのが前予測としてありましたが、実際は大いに使われています。

 

2、類似したカードがかつて存在していて、そのカードが弱かった場合

これはハイドロイド混成体が該当するでしょう。

【ハイドラ】と呼ばれるXマナをコストに含むクリーチャーは、ほとんどの環境において弱く、使われてきませんでした。

だからこそ、このハイドロイド混成体も弱いだろう。と、思われていたのです。

が、打ち消されてもドローできる上に、飛行、トランプルという性能がついているため対戦相手は対処が難しく、実際は大いに使用されました。

 

本題 基本セット2020におけるハイドロイド混成体はなんなのか?

さて、本題ですが、今回のセットをじっくりと検討して、考えてみた結果……今回のセットは基本セットということもあって、全体的にカードパワーが低いな、という印象を受けました。

 

そのため、ハイドロイド候補を探すのも一苦労……というか、前提で長々と述べたようなパワーカードの条件を満たすようなものも見つからず……

 

『今回のセットにハイドロイド混成体は居ない!』

 

という結論に至りました。

 

が、それで終わりではあまりにも寂しいので、ちょっと無理をして、なんとか候補となるカードを3枚選び出しました。

 

 

 

第三位 『裏切りの工作員』 次のハイドロイドとなる確率 1%正直、使われないと思っています

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このカード、書いてあることは強く、相手のパーマネントなら土地を含めて、なんでも奪うことが出来ます。

ただし7マナとあまりにも重く、その上大抵の場合においては『集団強制』のほうが強いです。

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そのため、一見すると弱い……ように見えますが、クリーチャーというメリットが存在しています。リアニメイトやブリンクが可能ですし、下に書かれている能力も、それ専用に組めば、案外達成するのは不可能ではないと思います。

 

 

 

第2位 『夜群れの伏兵』 次のハイドロイドとなる確率 5%

(そこそこ強い。バントフラッシュのようなデッキの核になりえる)

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このカード、4マナ4/4フラッシュと、その時点で及第点の強さを持ちます。その上、狼ロードでもあり、マナを使わないでも勝手にクリーチャーを増やしてくれます。

シミックやバントカラーのクロック・パーミッションのようなデッキで使用されそうです。

 

(ただし、大流行中の『時を解す者、テフェリー』との相性が最悪)

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第一位 豊穣の力戦 ハイドロイド確率『10%』

(大穴狙い。一見、使われなさそうだが、うまく使えれば他を寄せ付けない最速デッキが構築できる)

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マナクリーチャーサポートとなるカード。

第二の『荒野の再生』とも言えるでしょうし、第二の『世界を揺るがすものニッサ』でもあります。(……言い過ぎ?)

能力がマナクリーチャー前提であり、専用のデッキを組まなくてはいけないですが、もしも初手にこのカードがあった場合、ラノワールのエルフは1マナの2マナランプカードとなります。

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1ターン目ラノワールのエルフはただでさえ環境最強の動きですが、それを一層加速させます。

 

性能はかなりピーキーですが、効果は重複するため、複数枚引いても最低限仕事をしますし、ともかく、(運次第ですが)デッキの速度を異次元に引き上げます。

 

現環境は実用レベルのマナクリーチャーも多く、『豊穣の力戦型ネクサス』のようなものも現れるかもしれません。

 

 

灯争大戦という大きな変化 ~プレインズウォーカー時代の到来~

灯争大戦というセットは、36人のPWが収録されるという前代未聞のセットという事もあり、発売前から注目を集めていました。

 

ただし、構築レベルで注目されたのは、神話レアの【黒き剣のギデオン】や、レアの【時をほぐす者、テフェリー】といった一部のレアカードが中心でした。

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しかし、発売からすでに3週間近くが経過した今になって、実態は予測を大きく超えてきました。

 

ここで、MTGにおけるトッププロのデッキ選択を見るために、MPL(マジックプロリーグ)第三週のデッキ選択を見てみましょう。

※イゼ速様より引用http://www.izzetmtgnews.com/archives/81506

アーキタイプ 使用者数
4色リアニメイト 4
白単タッチ青アグロ 4
赤単アグロ 4
エスパーミッドレンジ 3
黒緑土地破壊 3
ジェスカイウォーカーズ 2
※使用者1名 10
合計 30

 

上記の図を見ると、前環境と比べて大差ないな。と、思われるかもしれませんが、実態は大きく違います。

 

なんと、上記のデッキで、灯争大戦で追加されたPWが一枚も入っていないデッキは、 PAULO VITOR DAMO DA ROSA氏の赤単アグロ一つのみ。

つまり、他の29名のデッキ全てに、灯争大戦で新しく加入したプレインズウォーカーの誰かが入っているのです。

そして、最大勢力の一つである4CリアニメイトはPWが10枚以上入っている形が多く、実質的には4CPWと呼ぶべきデッキです。

 使われるPWカードも多種多様。当初はリミテカードと思われていた【謎めいた指導者、カズミナ】や【支配の片腕、ドビン】が使われるようなデッキも環境に現れています。

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つまり時代は大PW時代! ぜひとも、その強さを感じてみたいと思いませんか?

 

以下は、実際にいくつかのPWデッキを回してみての感想を記していきます。

 

 

 

 

 

【4Cリアニメイト(4CPW)】

 

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このデッキは、黒緑をベースにしたPWデッキですが……特徴は2つあります。

 

1、【戦慄衆の指揮】で一発ゲームエンド!

 

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このカードを初めて見たときは、パッと見た限りはとんでもないけど、あくまでロマンカードに過ぎないだろう。という印象でした。

しかし、実際に使ってみると、【野茂み歩き】による大量ライフゲインによってかなりの量のクリーチャー+プレインズウォーカーが場に出せることが判明。同様に、野茂み歩きと探検クリーチャーをリアニメイトするとこで、デメリットもほとんど打ち消されます。

そして一瞬にして盤面はクリーチャーとPWの群れに埋め尽くされ、よほどのことがない限りひっくり返らない状況になります。

 

 

2,冒涜的なマナベース

基本的に、スタンダード環境において(あるいは下の環境においても)四色以上使うデッキはほとんど存在しません。

近年で例外的に存在していたのは、4Cエネルギーデッキですが、あのデッキは5色捻出出来る土地と、さらに好きな基本地形をデッキから加えられるカードが4枚入っていためギリギリで正当化されている。という感じでした。

しかし、この4CPWは、なんと青白がタッチカラーにもかかわらず、3マナ域に【覆いを割く者、ナーセット】【時を解す者、テフェリー】が入っているというはっちゃけぶり。

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当然、色の数が多い分、このデッキは回った時は理論上最強のデッキです。

戦慄衆の指揮が通れば、九割は勝利も同然。

 

しかし、こんな無茶が許されるのでしょうか?

 

……いえ、許されません。事故は頻発し、出だしが遅くなる事も多く、【黒緑土地破壊】のような、マナベースを咎めるデッキも環境に出現した今となっては、あまりおすすめできるタイプのデッキではありませんし、自分自身も、このデッキはマナベースの問題で好きになれませんでした。

 

ただし、デッキとしての地力は間違いなくありますし、戦慄衆の指揮を使った時の気持ちよさは他のデッキを寄せ付けません。一度使ってみるのも悪くないと思います。

 

 

【ジェスカイPW】

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さて、このデッキは4CPWと比較すると、ずいぶんデッキらしい見た目をしていますね。

【ショック】【轟音のクラリオン】によって軽いクリーチャーを捌きながら、PWでアドバンテージを稼ぎ、最後には【主無き者、サルカン】でPWをドラゴンにして一瞬で勝つ。というデッキです。

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デッキとしての見た目もよく、非常にまっとうです。攻めも守りも得意で、ジェスカイらしい、バランスの良いデッキでした。

 

ただ、個人的見解を述べると……このデッキは、至極普通という印象を受けました。

 

もちろん、デッキとしての実力は十分ですし、どんなデッキを相手にもそれなりに戦えます。けど、普通です。 

 

【青白PW】

 

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最後は、最も色が少なくまとめられた二色のPWデッキです。一見すると、それぞれのカードパワーが低い上に、勝ち手段となるカードが少なく見えるので、弱そうです。

 

ただし、実際に動かしてみると、その予想は良い意味で裏切られました

 

二色でまとめることで、【総動員地区】や【カーンの拠点】といった無色土地が使えるのが特徴です。特に総動員地区は、PWに対して強く、このデッキだと実質的に0マナ起動出来るミシュラランドとして使えることが多く、【相手のPWを倒す】、【場を整理した後に速やかにゲームを終わらせる】と、獅子奮迅の活躍でした。

さらに、後述する土地基盤の問題性も、他のPWデッキに比べると小さく、デッキとしての完成度は一番高い、という印象を受けました。

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 さて、気に入るようなデッキは見つかったでしょうか?

 

 しかし、そうではない方のために、以下にはPWデッキの弱点を記載します。今後の環境では少なからず相手にすることのあるデッキですから、ぜひ参考にしてみてください。

 

PWデッキの弱み1 土地基盤

どうしてこれだけPWカードが使われる事になったか?

もちろん、それぞれのPWカードが強力だったという事も当然ですが……非常に大きな要因の一つのなったのが、【次元間の標】でしょう。

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このカードはPWデッキ専用のフィルターランドであり、組む際の色事故を緩和するだけでなく、なぜかライフゲインをしてくれるというメリット付き。(しかも、この土地から出したマナを使わなくても良い)

 

よって、各色の強力なPWをデッキに詰め込むことが可能となりました。

 

しかしながら、同時にこのカードによってマナベースがムチャをしているデッキも非常に多く、代表的なものは【4Cリアニメイト】です。

色が多くなると、当然事故の確率も増えるうえに、基本地形が少なくなる。というデメリットも存在します。

 MPLでも、この土地基盤の問題を狙った【黒緑土地破壊】という新しいデッキが出現しています。

 

基本地形が入っていないデッキには、【廃墟の地】【暗殺者の戦利品】が致命傷となります。そして、色が多いPWデッキでは基本地形が少なくなり、必然的にこれらのカードが致命傷になります。

(ただし、青白PWは比較的土地破壊に耐性があります)

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PWデッキの弱み2 古呪

 

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説明するまでもない、PWへのキラーカードです。

2マナですべてのPWを一方的に破壊するという効果は、当然ながら致命傷となります。

このカードを使われた場合は、ほとんどの状況で敗北します。

カウンターで対策することも可能ですが、一度でも使われたら致命傷になりうるカードなので、このカードが複数枚採用されているデッキに対して、PWデッキで勝利するのは難しいでしょう。

(ただし、4CPWの【戦慄衆の指揮】だけは例外的に、このカードすらものともしない破壊力があります)

MTGArena 『灯争大戦』ランクドラフト7勝報告 ~青緑増殖ビート~

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今回は惜しくも7-0に至りませんでしたが、良い形の青緑デッキ(タッチ白)デッキが出来たので、報告していきます。

 

レアカードは【ビビアンのアーク弓】、【寛大なる者、アジャニ】の2枚でした。

両方共に強力なレアカードに分類され、今回のデッキは青緑なのですが、アジャニだけをタッチするために、白を足しました。

 

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アンコモンは以下の四種類五枚(スカイダイバーは二枚)

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今回の学び1:マーフォークのスカイダイバーは反則級の強さ

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そもそも、このカード。『2マナ』『(実質)2/2』『飛行』というスペックだけで普通に考えて十分に強いカードなのですが、その上、【プラス1カウンターが乗る】【マナが続く限り増殖可能】という、強力な自己完結型の能力を持っています。

つまり、このカードは一体でも強く、プラス1カウンターシナジーが期待できる青緑においては、状況によってはゲームを決めてしまう最強のアンコモンだと感じました。

また、マナを構える動きをしやすいので、カウンターとの相性が良いです。

 

 

 

今回の学び2:ビビアンのアーク弓があれば、コントロールデッキも怖くない

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今回の環境において、おそらく最強のカラーリングは青黒です。

 

ランクドラフトでもとかく対戦する回数が多く、その殆どのデッキにカウンターカードが入っています。

 

しかし、緑系のビートダウンデッキはソーサリータイミングで動かざるを得ないことが多いので、青黒デッキに対して有利に動くためには、押せ押せという感じで相手が受けきれないほどテンポよく攻め続けるのがベストだと思います。

 

こちらが先手ならそれで何とかなる場合も多いですが、後手を踏んだ際は、かなり厳しい戦いを強いられます。

 

しかし、【ビビアンのアーク弓】の起動効果にはカウンターが効きませんし、一度場に出してしまえば、破壊する手段はあまり多くはありません。

(あるとすればウギンのマイナスや、バウンスとハンデスの2枚コンボ程度)

 

あとは手札からクリーチャーを出さず、ビビアンのアーク弓を構えておくと、対戦相手は殴りづらくなり、コンバットも有利に働きます。

 

さらに、手札のカードは実質的にほとんど有効牌となるので、マナフラッドも回避できて、緑単色の中ではトップレアだと思います。

(【世界を揺るがす者、ニッサ】、【ヴィトゥ=ガジーの目覚め】の二枚も緑単色の中では非常に強力ですが、二枚ともかなり単調なカードで、重く、青黒デッキ相手では簡単に対処されてしまう事も多いので、基本的に【ビビアンのアーク弓】の方が強力だと感じました。)

 

 

今回の学び3:増殖シナジーは強力だが、増殖カード自体よりも、クリーチャーや+1カウンターを乗せるカードの方が重要

 

今回、青緑で7-1という成績を残せたのは、単純にカードが強かったというのもあるでしょうが、増殖シナジーについての考え方を改めた点も大きかったと思います。

以前から『青緑(あるいは緑白)というカラーリングは、増殖でクリーチャーを大きくして勝つ』という認識が自分の中にありました。

よって、以下のようなカードを喜んでデッキに入れていました。

 

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もちろん、これらのカードが弱いわけではありません。

これらのカードがうまく噛み合えば、盤面はあっという間に巨大モンスターの群れになります。

が……毎回うまくデッキが回るわけではありません

そもそも増殖というキーワードは

第一にクリーチャーが居て、同時にそのクリーチャーの上にプラス1カウンターが乗っている事。あるいはプレインズウォーカーが場に居ることが前提になります。

 

条件を満たせない状況では、【論議を呼ぶ計画】は2マナのキャントリップ呪文に過ぎず、【流束の媒介者】は3マナの熊(2/2クリーチャー)に過ぎません。

 

リミテッドでの主役はやはりクリーチャーカードであり、肉質の良い緑のクリーチャーなら、テンポ良く場に出し続けているだけで勝つこともあります。

 

よって、

【第一にクリーチャー】、【第二に+1カウンター】、そして【最後に増殖】の順で枚数が必要になるということを忘れないようにしたほうが、デッキとしての完成度が高くなると思います。

(そして当然、クリーチャーであり+1カウンターが乗るカードや、クリーチャーであり増殖するカードは強く、すべてを兼ね備えた【マーフォークのスカイダイバー】は最強です!)

 

ということで、今回は以上になります。お付き合い、ありがとうございました。