灯争大戦という大きな変化 ~プレインズウォーカー時代の到来~

灯争大戦というセットは、36人のPWが収録されるという前代未聞のセットという事もあり、発売前から注目を集めていました。

 

ただし、構築レベルで注目されたのは、神話レアの【黒き剣のギデオン】や、レアの【時をほぐす者、テフェリー】といった一部のレアカードが中心でした。

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しかし、発売からすでに3週間近くが経過した今になって、実態は予測を大きく超えてきました。

 

ここで、MTGにおけるトッププロのデッキ選択を見るために、MPL(マジックプロリーグ)第三週のデッキ選択を見てみましょう。

※イゼ速様より引用http://www.izzetmtgnews.com/archives/81506

アーキタイプ 使用者数
4色リアニメイト 4
白単タッチ青アグロ 4
赤単アグロ 4
エスパーミッドレンジ 3
黒緑土地破壊 3
ジェスカイウォーカーズ 2
※使用者1名 10
合計 30

 

上記の図を見ると、前環境と比べて大差ないな。と、思われるかもしれませんが、実態は大きく違います。

 

なんと、上記のデッキで、灯争大戦で追加されたPWが一枚も入っていないデッキは、 PAULO VITOR DAMO DA ROSA氏の赤単アグロ一つのみ。

つまり、他の29名のデッキ全てに、灯争大戦で新しく加入したプレインズウォーカーの誰かが入っているのです。

そして、最大勢力の一つである4CリアニメイトはPWが10枚以上入っている形が多く、実質的には4CPWと呼ぶべきデッキです。

 使われるPWカードも多種多様。当初はリミテカードと思われていた【謎めいた指導者、カズミナ】や【支配の片腕、ドビン】が使われるようなデッキも環境に現れています。

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つまり時代は大PW時代! ぜひとも、その強さを感じてみたいと思いませんか?

 

以下は、実際にいくつかのPWデッキを回してみての感想を記していきます。

 

 

 

 

 

【4Cリアニメイト(4CPW)】

 

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このデッキは、黒緑をベースにしたPWデッキですが……特徴は2つあります。

 

1、【戦慄衆の指揮】で一発ゲームエンド!

 

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このカードを初めて見たときは、パッと見た限りはとんでもないけど、あくまでロマンカードに過ぎないだろう。という印象でした。

しかし、実際に使ってみると、【野茂み歩き】による大量ライフゲインによってかなりの量のクリーチャー+プレインズウォーカーが場に出せることが判明。同様に、野茂み歩きと探検クリーチャーをリアニメイトするとこで、デメリットもほとんど打ち消されます。

そして一瞬にして盤面はクリーチャーとPWの群れに埋め尽くされ、よほどのことがない限りひっくり返らない状況になります。

 

 

2,冒涜的なマナベース

基本的に、スタンダード環境において(あるいは下の環境においても)四色以上使うデッキはほとんど存在しません。

近年で例外的に存在していたのは、4Cエネルギーデッキですが、あのデッキは5色捻出出来る土地と、さらに好きな基本地形をデッキから加えられるカードが4枚入っていためギリギリで正当化されている。という感じでした。

しかし、この4CPWは、なんと青白がタッチカラーにもかかわらず、3マナ域に【覆いを割く者、ナーセット】【時を解す者、テフェリー】が入っているというはっちゃけぶり。

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当然、色の数が多い分、このデッキは回った時は理論上最強のデッキです。

戦慄衆の指揮が通れば、九割は勝利も同然。

 

しかし、こんな無茶が許されるのでしょうか?

 

……いえ、許されません。事故は頻発し、出だしが遅くなる事も多く、【黒緑土地破壊】のような、マナベースを咎めるデッキも環境に出現した今となっては、あまりおすすめできるタイプのデッキではありませんし、自分自身も、このデッキはマナベースの問題で好きになれませんでした。

 

ただし、デッキとしての地力は間違いなくありますし、戦慄衆の指揮を使った時の気持ちよさは他のデッキを寄せ付けません。一度使ってみるのも悪くないと思います。

 

 

【ジェスカイPW】

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さて、このデッキは4CPWと比較すると、ずいぶんデッキらしい見た目をしていますね。

【ショック】【轟音のクラリオン】によって軽いクリーチャーを捌きながら、PWでアドバンテージを稼ぎ、最後には【主無き者、サルカン】でPWをドラゴンにして一瞬で勝つ。というデッキです。

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デッキとしての見た目もよく、非常にまっとうです。攻めも守りも得意で、ジェスカイらしい、バランスの良いデッキでした。

 

ただ、個人的見解を述べると……このデッキは、至極普通という印象を受けました。

 

もちろん、デッキとしての実力は十分ですし、どんなデッキを相手にもそれなりに戦えます。けど、普通です。 

 

【青白PW】

 

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最後は、最も色が少なくまとめられた二色のPWデッキです。一見すると、それぞれのカードパワーが低い上に、勝ち手段となるカードが少なく見えるので、弱そうです。

 

ただし、実際に動かしてみると、その予想は良い意味で裏切られました

 

二色でまとめることで、【総動員地区】や【カーンの拠点】といった無色土地が使えるのが特徴です。特に総動員地区は、PWに対して強く、このデッキだと実質的に0マナ起動出来るミシュラランドとして使えることが多く、【相手のPWを倒す】、【場を整理した後に速やかにゲームを終わらせる】と、獅子奮迅の活躍でした。

さらに、後述する土地基盤の問題性も、他のPWデッキに比べると小さく、デッキとしての完成度は一番高い、という印象を受けました。

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 さて、気に入るようなデッキは見つかったでしょうか?

 

 しかし、そうではない方のために、以下にはPWデッキの弱点を記載します。今後の環境では少なからず相手にすることのあるデッキですから、ぜひ参考にしてみてください。

 

PWデッキの弱み1 土地基盤

どうしてこれだけPWカードが使われる事になったか?

もちろん、それぞれのPWカードが強力だったという事も当然ですが……非常に大きな要因の一つのなったのが、【次元間の標】でしょう。

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このカードはPWデッキ専用のフィルターランドであり、組む際の色事故を緩和するだけでなく、なぜかライフゲインをしてくれるというメリット付き。(しかも、この土地から出したマナを使わなくても良い)

 

よって、各色の強力なPWをデッキに詰め込むことが可能となりました。

 

しかしながら、同時にこのカードによってマナベースがムチャをしているデッキも非常に多く、代表的なものは【4Cリアニメイト】です。

色が多くなると、当然事故の確率も増えるうえに、基本地形が少なくなる。というデメリットも存在します。

 MPLでも、この土地基盤の問題を狙った【黒緑土地破壊】という新しいデッキが出現しています。

 

基本地形が入っていないデッキには、【廃墟の地】【暗殺者の戦利品】が致命傷となります。そして、色が多いPWデッキでは基本地形が少なくなり、必然的にこれらのカードが致命傷になります。

(ただし、青白PWは比較的土地破壊に耐性があります)

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PWデッキの弱み2 古呪

 

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説明するまでもない、PWへのキラーカードです。

2マナですべてのPWを一方的に破壊するという効果は、当然ながら致命傷となります。

このカードを使われた場合は、ほとんどの状況で敗北します。

カウンターで対策することも可能ですが、一度でも使われたら致命傷になりうるカードなので、このカードが複数枚採用されているデッキに対して、PWデッキで勝利するのは難しいでしょう。

(ただし、4CPWの【戦慄衆の指揮】だけは例外的に、このカードすらものともしない破壊力があります)